◎多相流解析とは |
多相流解析の定義は、PHOENICSに関して、考慮される空間の最小要素(すなわち計算セル)内に複数の識別可能な流体が存在するものです。例として以下のようなものです。
・水中の油滴、または油中の水滴などの懸濁液
・雪崩の中の空気と雪
・砂嵐の中の砂と空気
・鋳造型中の固体と液体金属の混在した状態
・シャワー中の水と空気の混合物
・石油回収プロセスで、岩石内の細孔中のガス油水混合物
・燃焼室で、高温ガスと混合された燃料油の液滴
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◎相の定義 |
上記の例では、液体、固体、気体が区別される熱力学の慣習的な意味で「相」という言葉を採用しています。
しかし、PHOENICSにおける「相」はより広い範囲で使用されています。例えば、異なる密度の砂粒子、または異なるサイズの蒸気泡、または異なる温度のガス渦も異なる相とみなしています。
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◎多相流における混相流と分離流の違い |
多くの場合、ドメイン内のそれぞれの相は分離されます。例えば、やかんの下のガスが消火されている時は完全に分離した状態で流動します。一方点火して水が沸騰して気泡が上昇すると、水蒸気と水の間に表面の切れ目のない分布が形成されます。
始めの流れは、分離流または自由表面流れと呼ばれます。
次の流れは、混相流といわれ、PHOENICSでは二相流モデルや代数スリップモデルで計算されます。
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◎多相流解析の手法 |
1.2つの相互作用する連続体として、それぞれが考慮されている時間、空間の計算点を持ち、それぞれの相の:
・速度成分
・温度
・組成
・密度
・粘度
・体積分率
・その他
を持っている二相流モデル
2.同じ様々な特性を有する複数の連続体を計算する代数スリップモデル
3.自由表面によって分離された2つの相互には独立した自由表面モデル
4.粒子軌跡が連続体を通って移動する際に分散相を計算する粒子挙動モデル
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